「その問いは、本当に自分の問いですか?」

私が今も昔も手放せない、たった一つの質問
〜「正解」を探す旅から、自分だけの”ワクワク”を見つけるまで〜

みなさん、こんにちは。安里三矢子です。

前回は、私が安定した教職員のキャリアを手放して沖縄で【「問い」の会社】Inquirers Base Okinawaを立ち上げた背景について、不器用な決意とともにお話しさせていただきました。
温かい反響をいただき、本当にありがとうございます。

さて、コラム第2弾となる今回は、私がこれまで世界を巡りながら学び、教育現場で子どもたちと向き合い、そして起業という新たな道を選択するに至るまで、そしてこれからも決して手放すことのない「たった一つの質問」について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

第1章:私を導き続けた
    「Why(なぜ、私の心が動くのか?)」

前回のコラムでお話しした通り、私はこれまで北アイルランド、台湾、オーストラリア、そして沖縄の米軍基地内と、さまざまな環境で多様な価値観に触れながら学んできました。

振り返ってみると、私がいつも自分自身に投げかけていたのは、「なぜ、私はこれが気になるのだろう?」「これを学ぶことで、私はどんな風にワクワクし、何に挑戦してみたいのだろう?」という、自分の内側から湧き上がる「Why(なぜ?)」でした。

誰かに言われたからではなく、世間的に評価されるからでもなく、
純粋に「自分が気になること、変えてみたいこと」に耳を澄ませること。
時には迷い、答えが出ず苦しい思いもしましたが、この「Why」を持ち続けたからこそ、私は自分自身の「ワクワク」に正直に生きることができたのだと思います。

第2章:「自由に調べていいよ」の罠と、
    検索して終わる問い

そんな私でしたが、浦西中学校でいざ「探究的な学び」を本格的に始めようとしたとき、大きな壁にぶつかりました。

生徒たちに「さあ、自分の好きなテーマで問いを立てて、自由に探究してみよう!」と声をかけても、なかなか上手くいかなかったのです。
最初に出てくるのは、「なぜ空は青いのか?」といったネットで検索すれば数秒で答えが出てしまうものや、どこかのニュースで見ただけの受け売りのテーマ。
あるいは、「先生が喜びそうな、真面目で正解っぽいテーマ」ばかりでした。

当時の私は、「どうして子どもたちは主体的に深い問いを持てないのだろう」と悩みました。
しかし、間違っていたのは私のアプローチでした。
大人だって「自由に問いを立てて」と突然言われても困りますよね。
ましてや子どもたちは、これまで「正解」を素早く答える訓練ばかりしてきたのです。

私がずっと大切にしてきたはずの「自分が気になること、挑戦してみたいこと(Why)」と出会うための
足場作りを、子どもたちにしてあげられていなかったことに気づき、深く反省しました。

第3章:「それって、あなたが本当に知りたいこと?」
    〜問いを磨く魔法の言葉〜

「どうすれば、子どもたちは自分自身の純粋なワクワクに出会えるのだろうか」。
私は同僚の先生方と泥臭く試行錯誤を続けました。

そして、総合的な学習の時間(至逞タイム)のガイダンスで、ただ漠然とテーマを決めるのではなく、自分自身の心と対話するための視点を子どもたちに投げかけるようにしたのです。

  • 「なぜそれを探究しようと思う?」
  • 「あなたはそれを詳しく知りたいの? できるのかやってみたいの? それとも新しく創ってみたいの?」

さらに、問いをブラッシュアップして自分ゴトにするための「質問集」も先生方と一緒に用意しました。

  • 「なぜこれを知りたいと思ったの?(自分にとって関心は高い?)」
  • 「他に同じことを考えている人はどんな人?(自分が考えた方がいいことか?)」
  • 「これを探究することで、あなたの生活に何かいいことがある?(自分の人生が少し豊かになるか?)」

子どもたちは、自分が見つけた仮のテーマについて、グループの仲間から多様な視点でQ&A(質問とアドバイス)をもらいます。
「〇〇みたいなことはどう?」「こういうイメージだけどどう?」と互いに声を掛け合い、他者の視点を入れることで、ただの思いつきが「私が気になること、ワクワクすること、挑戦してみたいこと、変えてみたいこと」へと少しずつ磨かれていきました。

自分の内側にある興味や違和感と丁寧に向き合うことで、子どもたちは初めて、自分の中に眠る「ワクワク(ダイヤモンドの原石)」に出会うことができたのです。

結び:私たちの「問い」は、本当に自分の心を動かしますか?

「私が気になること、ワクワクすること、挑戦してみたいこと、変えてみたいことは何だろう?」

これは、子どもたちだけでなく、私たち大人にも必要な質問ではないでしょうか。

日々の仕事や生活の中で、私たちは無意識のうちに「誰かに与えられた課題」や「世間が求めている(気がする)正解」を、自分の問いだと錯覚して一生懸命になってしまうことがあります。

でも、本当に未来を動かし、自分自身を心の底から突き動かすのは、自分自身の純粋な興味や違和感から生まれた問いだけだと思うのです。

迷い、悩みながらで構いません。
今日、少しだけ立ち止まって、ご自身の胸の内に「これは私が本当にワクワクすること?」と問いかけてみませんか?
そこから始まる「自分だけの問い」に出会う旅が、あなただけの冒険の第一歩になると信じています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。Inquirers Base Okinawaから、また次回のコラムでお会いできるのを楽しみにしています!

「問いが、未来を動かす」。

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